生産環境工学専攻 船舶工学特別コース

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研究室

船舶工学講座(今治造船寄附講座)

教授 土岐 直二 (とき なおじ)

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(1) 痩せ型船に作用する非線形縦曲げモーメントに関する研究

高速で貨物を運ぶコンテナ船などは, 大嵐の中で船首が水面の上に出たり甲板が大波をかぶったりといった激しい動揺を起こすことがある。右はその様子を再現した模型試験の様子である。こうした激しい動揺に伴って発生する非線形縦曲げモーメントの特性を, Elastic Backbone Modelと呼ばれる特製の模型を使って調査する一方で, 推定計算プログラムを開発して大凡の特性を推定できることを確認した。その後, 大型コンテナ船による実船計測をして実態を調査した。
学位論文:「船舶の波浪中応答に係わる設計値の決定手順に関する研究」2001年10月

痩せ型船に作用する非線形縦曲げモーメントに関する研究

(2)世界初, ディーゼル主機全没型水中翼船の開発

超高速で走る船は波に弱く, 小さな波でも乗り心地が悪くなる。船の重量を水中翼の揚力で支える全没型水中翼船ならかなり高い波の中でも快適に走れるが, 今迄は燃料費の高いガスタービン主機の船しか無かった。造船所の人達と一緒に, 経済性の高いディーゼル主機を使った世界初の全没型水中翼船を開発し, 島根県本土と隠岐の島を結ぶ航路に就航させた。

世界初, ディーゼル主機全没型水中翼船の開発

(3)船舶の実海域性能に関する研究

就航中の船舶にモニタリング用のP/Cを搭載して信頼性の高い長期データを取り, それを解析して実海域性能の実態を知りたいと考えて, 数隻の内航フェリー船型のデータを解析した。計測された速度と所要馬力の関係を図の左側に示すが, これらの元データに対して, 種々の環境条件の影響を補正した結果が図の右に示されて居り, 左の図に見られたデータのバラつきが大幅に減っていることが分かる。この船の場合には風の影響が最も大きかったが, これにより, 環境条件の影響を適切に評価して行けば実海域性能の変動が説明できることが分かった。

船舶の実海域性能に関する研究
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